東洋の思想の根幹は「五行」と「陰陽論」ですが
ここでは「五方向」について述べていこうと思います。
東洋では、まず天空に浮かぶ星の観察をし
木星、火星、土星、金星、水星に注目していく訳ですが
(古代人はすごい!)
そして、古代人は五の数字に着目し
方向も五方向に分けていきました。
表にして、暗記していく、という方法もありますが
どうして、そうなったのか想像していくとイメージが広がり、
豊かな人生の鑑定に繋がるかと思います。
☆東方
太陽は東から出て、西に沈みます。
東洋では、天と地の間に人間が存在する、と考えられています(天地人)
なので、東は一日の始まりです。
そこから東は
「スタート」「未来」「若い」という現象を入れ込みました。
そして季節の始まりは「春」です。
春は草木が芽生え、空気は澄んでいて青々としています。
そこから、東の方向の色は「青」という色が配置され、文字通り「青い春」と書いて
青春、とか、風水でも東や東南に子供部屋を置くのは吉とされています。
今、まさに成長していく気がある場所だからです。
易でも東は「震」長男の場所であり、皇太子の住まいする場所は「東宮」とされています。
東洋の思想は、くどいようですが「ミクロはマクロであって、マクロはミクロである」
人間は小宇宙である、という考えですので、小さなものに、どんどん同じものを
重ねて行きます。
例えば、木性は方向は東、色は青、本能は守備本能、干でいえば「甲」「乙」みたいに・・・
これらは全て同じ意味です(陰陽の違いはあります。)
そして、これは「家」というひとつの単位を見ても同じです。
東は「木性」色は「青」で、人物で例えるならば「長男」です。
そこに「相生相剋比論」を重ねていくわけです。
東は木性のある場所で、木性を助けるのは「水」ですから風水でいうところの
東、東南の台所、お風呂水回りは吉です。
そして、応用していくと
台所というのは、そもそも「水」と「火」を使いますので
「水剋火」の激突になりますから気が乱れやすい場所です。
そこで、気を循環させる為には「水生木生火」と「水は木を助け、木は火を助ける」というように
激突する気を良いように流していく為に「青色」(現代では五色ではなく色々な色があるので
黄緑や水色や、紫(東と南の間)などでも良いです)の色を置く、または、
植物(木性)を置く、ということで悪い気を流して改善していくことが出来ます。
これらは大衆の中で風水などに取り入れられていきますが
暦の中での東方の主役は空間の十干で言えば「甲(陽木)」「乙(陰木)」
十二支の主役は「寅(陽木)」「卯(陰木)」です。
☆南方
南は太陽が最も活躍する場です。
季節は「夏」太陽が盛んで赤々と燃えるようです。
そこで南の方向の色は「赤」です。
ちなみに「赤」というのはおめでたい意味がありお祝いの日には
「お赤飯」を炊いたり、生まれたての赤ちゃんのことを赤ちゃんと呼んでいます。
東は「スタート」「始まり」の意味がある、と先ほどお話しましたが
東は横の線であり横の線は「相生相剋」理論の説明の際に「切磋琢磨」など「相剋」が横線でしたが
横線は「現実」という意味があり、東のスタートは「現実のスタート」です。
南にもスタートという意味がありますが「相生相剋」理論の説明の際に
相生は「縦」の線で行われると、お伝えしましたが縦の線は「精神的」な線になります
ゆえに南のスタートは「精神の始まり」になります。
南方は太陽の活躍する場になりますので南方の主役は
「丙(陽火)」「丁(陰火)」になります。
十二支では「午(陽火)」「巳(陰火))になります。
☆西方
南中した太陽は、だんだん西方に向いやがて日没します。
西方は太陽が沈む場所(隠れる場所)です。
そこで、現象は物事の「結果」「終わり」という意味になり
「金性」が活躍する場所になります。
色は「白」です。
よく戦争で降参する時に白旗を振りますが、これは
「もう終わらせよう」という意味があります。
季節は葉っぱも枯れて落ちていく「秋」。
非常に乾燥した季節でもあるので、金性の多い人は比較的ドライな人が多いです。
また「西方浄土」という言葉がありますが、西方は横線の終わり
現実の終わりの方向なので、ここで現実の肉体が終わり、あの世に行くことを
示しています。
西方の主役は「庚(陽の金)」「辛(陰の金)」
十二支では「申(陽の金)」「酉(陰の金)」になります。
☆北方
太陽が西方で沈み、夜の闇に包まれます。
北方は夜を司ります。
季節で例えるならば「冬」です。
色は「黒(夜の色)」です。
北方は神聖な場なのでなくなった方は「北枕」で寝て頂きます。
北方は縦線であり「南が精神の始まり」であったのに対し、
北方は「精神の終り」になります。
ここで、お気づきになる方もいらっしゃるかと思いますが
精神の終わりを意味する北方の色は「黒」、
肉体の終わりを意味する西方の色は「白」です。
この世が終わり、あの世に旅立つということで
私達は自然に、習慣的に色を取り入れて継承していることになります。
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